僕のディズニーランドデビューは遅く、20代半ばであった。大のディズニーランド好きの友人と行った。
20年以上「夢の国って凄いところなんだ！」と期待が膨らみ過ぎたせいか、普通に現実世界の遊園地だなという感想を持ち、とりたて感動はなかった。
また、ファストパスを取るために猛ダッシュを強要されたり、パレードをベストポジションで見る為に場所取り含めた長時間の待機などディズニーガチ勢との行動はディズニー童貞には辛いものであった。
僕はそんな状況の中でもっぱら非日常の中の現実探しを堪能していた。
スタッフの休憩所はどこだろう？
救急車が来た時の搬送はどこから？
キャラクターに扮した人の予備は何人確保しているのかな？
（体調不良時の欠員対策等）
この着ぐるみの中の人は身長160㎝以下じゃないと無理だな
事前に従業員の仕事と時給も確認。東京ディズニーリゾートキャスティングセンターのサイトで予習した。
かつらを製作・管理するウイッグキャストや消防関連の仕事をするファイアーキャストなんてお仕事もあると知った。
時給は・・・
＼(^o^)／（お察し）
最低賃金(時給）は東京都と比べてディズニーランドがある千葉県は88円低いんだ
神奈川県は東京より1円低いだけなのにね
※2022年1月現在
初ディズニーは最終的に“故障したアトラクションの観察をしたがった僕”に対して、友人の機嫌が悪くなってしまった。水上のアトラクションが故障し、乗客達に長靴が配られアトラクションから降りて誘導される光景に過剰な興味を示してしまった。
そう、ディズニーガチ勢と一般人の僕では楽しみ方が根本から違うのだ。
その後、恋人や友人ともディズニーランドやディズニーシーへ行ったがデビュー戦同様にさほど感動はなかった。楽しいという気持ちはある。
また行きたいなとは思うけど、積極的に行こうとは思わない。なぜなら僕は人混みが嫌いだ。
並ぶことも苦痛である。基本的にテンションも低いので「わー！」とか「ギャー！」とかそんな反応も出ない。
しかしある日、そんな僕でもすぐにディズニーランドに行きたくなる競技を発見したのだ。
エクストリームスポーツ「一人ディズニーランド」競技
エクストリームスポーツの中で「最も過酷な競技」と言われる「一人ディズニーランド」競技。
アンサイクロペディアを読んだのがきっかけで知った。
決して勘違いしてはいけない。一人でディズニーランドを楽しむという趣旨ではなく競技としてのソロ・ディズニーランドなのだ。
一人でディズニーランドへ赴き、定められた条件によるポイントを獲得していく競技である。
概要（抜粋）
一人ディズニーランドというスポーツは年々注目されつつあり、競技の歴史が33年と浅いものの、競技人口は増加傾向で数万人と推測される。
競技のメイン会場となるTDRに入場することをゲートイン、同じく出場をゲートアウトと呼び、競技の時間は選手自身に委ねられている。競技は加算式ポイント制であり、より多くのポイントを取った者がその年の優勝者となる。後述のようにゲートアウト後も審査は続いているため、競技者には家に帰るまでが一人ディズニーランドであるという心構えと、常に笑顔を絶やさない姿勢が求められる。
競技を終えた選手の3人に1人が重度の鬱病もしくはPTSDを発症することから、エクストリームスポーツの中で「最も過酷な競技」として挙げられることも多く、場の空気に飲まれゲートインすらできない選手も多い。
出典：アンサイクロペディア
現代に見合っていないルール
アンサイクロペディア記載の「一人ディズニーランド」には事細かにルールやポイントが定められている。
だがしかし、記載されている内容が現代に見合っていない。1983年に定めた大まかなルールとの記載もあり内容が古いのである。
僕が腑に落ちない点↓
・競技中は笑顔を絶やさないこと
笑顔と言ってもマスク生活が当たり前の今は無意味なのである
・カメラ以外の電子機器は持ち込み禁止
今はスマホのカメラの解像度が上がりデジカメではなくスマホで写真撮影がメイン。ファストパスが中止となりスマホアプリからスタンバイパスを取得しなければならないアトラクションもあるので、スマホは持ち込んでいいだろう
その他にも、ポイントは書かれているけど目安がわからなかったり、移動が電車に限定されておりコロナ禍での感染対策を考えると移動手段の限定は適切ではないだろうし、平日と土日祝どちらもポイントが加算されることに意味はあるのか？など疑問が多い。ポイントも計算が大変そうな数値になっていて計算が面倒である。
新ひとりディズニー競技ルール
ひとりディズニー競技ロゴ
2022年の生活様式に合わせて「ひとりディズニー競技」として僕的ルール制定を実施します。
「ひとりディズニー競技」は一人でディズニーランド及びディズニーシーへ赴き、孤独を徹底しながら、より多くのポイントを獲得を目指す競技です。
ファミリーやカップル、友人と楽しむことが多いディズニーランドにていかに己の孤独と向き合うことができるか、行動力を発揮できるか、お一人様を楽しめるか、挑戦するものでもあります。
参加宣言や開会式もないため、いつでも気軽に一人で楽しめる競技です。
Twitterのハッシュタグで「#ひとりディズニー競技」（※「ひとり」は平仮名）とつけてポイントを報告してもらえば、このサイト内でさらし上げておきます！
基本ルール
禁止行為を行った場合、失格もしくは減点対象となる内容もあるので（後述）注意すること。
■競技会場（ディズニーランド及びディズニーシー）には一人で向かうこと
→競技会場に向かうまで、家に帰るまでが競技です。恋人や友達に送ってもらう行為はNG
■午前中にゲートインすること。また18時まではパークに滞在すること
→競技時間が6時間未満の場合は本競技参加とみなさない
■最低3か月は来園期間をあけること
→慣れが生じると競技に対する心理的ハードルが下がるため
■飲酒禁止
→アルコールは血液を通して循環し脳を麻痺させるため
■競技中はスマホでのゲーム、LINE等でのやりとり、外部への通話連絡は禁止
→SNSへの競技内容の実況報告は可能だがコメント類への返信行為は禁止とする
一方的な発信はOK。やりとり等外部との交流行為はNG
過去に“孤独を紛らわせる為にスマホを持ち込み、ゲームをした男性が失格となり以後消息が判明していない事件”が起こっているため、気を付けましょう。(アンサイクロペディアより)
■競技会場はディズニーランド、ディズニーシー、どちらでも可能
→子供やファミリーに人気のディズニーランド、カップルや大人向けのディズニーシー、どちらでも違う意味の孤独を味わえるため、どちらの会場を選んでも良い
■必ず飲食物購入を一回以上行うこと
→パーク内での持込物の飲食は不可。(ディズニーリゾート公式情報)
6時間以上に及ぶ競技となるため、必ず1回は飲食物の購入を行う事
※拾い食いやもらい食いは禁止
2022年5月より導入されたディズニー・プレミアアクセスの利用について、本競技ではマイナスポイントが発生します。
2千円を支払うことにより、少ない待ち時間でアトラクション等を体験できるものですが、こちらを利用することによってお金で孤独を解決するような要素も生まれてしまうため減点となります。
減点数については、「ペナルティ（ポイント減点）」欄をご確認ください。
ポイント
本競技はポイント加点・減点制です。ポイント数については下記の通りです。
A 基本ポイント
・開園時間前から並ぶ…＋10pt
・会場内でのカチューシャ着用…＋15pt
・カチューシャをゲートアウトから自宅まで着用…＋20pt
※公共交通機関利用時に限る（自家用車内でのカチューシャ着用はポイント対象外）
・大会オリジナルユニフォームやグッズの着用…＋50pt
・初ディズニー（初ランドの場合はランド会場、初シーの場合はシー会場選択時）…＋30pt
・キャラクターとのツーショット撮影…1キャラにつき＋10pt
・お土産購入なし（自分への物品購入もなし）…＋30pt
※競技中着用するカチューシャの購入はお土産とみなさない
B 来園日によるポイント
・土曜、日曜、祝日…＋10pt
・ゴールデンウイーク期間…＋10pt
・ディズニーランド開園日（4/15）※ディズニーランド会場選択…＋15pt
・ディズニーシー開園日（9/4）※ディズニーシー会場選択…＋15pt
・ミッキー、ミニーの誕生日（11/18）…＋15pt
・成人の日、バレンタイン（2/14）、ハロウィン（10/31）、クリスマス（12/24・25）…＋20pt
・正月、大晦日…＋20pt
・自分の誕生日…＋30pt ※バースデーシールを取得の上洋服に貼り付ける事
C 滞在時間ポイント
・開園～昼12時は1時間ごとに＋5pt
・18時以降は30分ごとに＋5pt（=21時閉園まで滞在した場合+30pt）
オープンラスト（開園時間が9時・閉園時間が21時の場合）参加で午前15pt・午後30ptで45ptプラスである。
D アトラクション系ポイント
アトラクションとは公式サイトに掲載されている、ディズニーランド39個・ディズニーシー29個のものを指します。
・アトラクション待ちの行列に30分（1アトラクション）…＋5pt
→1時間で10pt、1時間30分で15pt…といった具合にプラスとなる。
例）プーさんのハニーハントに30分並んだ場合…5pt
例）プーさんのハニーハントに60分並んだ場合…10pt
・アトラクション10個制覇…＋30pt
・アトラクション15個制覇…＋40pt
・アトラクション20個制覇…＋50pt
・アトラクション21個以上制覇…＋60pt
・アトラクションに一切乗らない…＋60pt
E 飲食系ポイント
・バケット付きポップコーンの購入&肩から下げて歩く…＋10pt
※バケットではないレギュラーの紙容器のポップコーンはポイント対象外
・事前予約タイプの店舗での予約&飲食…1店舗につき＋20pt
・飲食物購入に伴う行列30分（1店舗）…＋5pt
※30分未満の場合は加点対象外。1店舗20分、1店舗10分で各店舗合計30分であっても加点はされない
ペナルティ（ポイント減点）
・寝たフリ…－10pt
・外部との通話…1回につき－15pt
・LINE等コミュニケーションツールでの外部とのやり取り…1回につき－15pt
※Twitter、TikTok、Facebookなどこちらが投稿する一方的な発信行為は減点対象外
※コメントへの返信行為は減点対象
・浦安市民…－5pt
・プレミアアクセス使用…－50pt
▽話しかけられる系（キャスト、スタッフとの必要最低限の会話は可）
・ナンパされる…－100pt
・時間や場所、を問われる等ナンパ以外…－10pt
※体調不良、ケガ等による救助を求められた場合はポイントはマイナスとならない。
羞恥心が高まり寝たフリをしてやり過ごしたり、誰かを待っているフリをすることはやめましょう。
選手としてのフェアプレー精神は常に忘れないでください。
失格
💀ナンパ行為
成功失敗の結果に関わらず即時失格。ナンパされた際も上記の減点内容通り、ポイントが減点(－100pt)となるため注意
→ナンパされない服装、表情を意識して競技に取り組むこと。リア充感を漂わせないこともコツ
💀トイレの滞在時間がトータル45分
下痢で長期滞在とならないよう、体調も競技日に合わせて仕上げてくること。
また、大小関わらず漏らした場合も失格となるため、便意・尿意の管理もぬかりなく行う事
便の神様を見方に付けておきたい方は下記も参照してください。
下痢の祈り先、間違ってない？ 出典：キベマンションの住人たち（第二回クソ記事選手権エントリー記事）
💀途中で知人・友人・恋人・家族・同僚（等あらゆる知り合い）と合流
合流時点で失格。
→合流までのポイントが活かされるなんて甘い事はない
💀飲酒
禁止行為にあたるので、一口飲んだ時点で失格
💀ベンチ入り合計30分
同じベンチに30分以上着席を続けた時点で失格
→行動せずひっそりベンチに佇み続け、滞在時間ポイントを稼ぐ事を防止するため
ポイントランク表
ポイント平均値として、通常の行動だと平日に開園時間からのインパ(15pt)、アトラクション計1時間30分待ち（15pt）で30ptにしかならない状態です。
より高い得点を狙うには、計算して行動しなければならないです。
ポイントによる階級は下記の通りです。
ポイントがマイナスな人は変態選手として生きてください。（「選手」であることは保証されます。）
ポイントを稼げないまま減点対象となる行為を繰り返すと結果としてマイナスになるため、注意が必要です。
場の空気に飲まれてゲートインすらできない選手もいるので、例えポイントが低くてもアマチュア選手として胸を張りましょう。
2022.01.28 制定
2022.11.11 改定
公式ユニフォーム
2022年のユニフォームはこちらで販売しています。景気付けや気分を盛り上げたいときは着用して行きましょう。
Tシャツ、パーカー、ビブス、マスク、バッグ、パスケースをご用意しています。
Tシャツとパーカーはサイズも選べます。
Up-T販売ページ
■デザイン特徴
QRコード
各アイテムにプリントされているコードはこの記事に繋がるので、アトラクションを待っている間、後ろに並んでいる人がQRを読み取ってくれることによりあなたへの理解が深まるでしょう。
冷ややかな視線が一変！選手を応援するサポーターのような視線に変わります！
ゼッケン風番号
Tシャツとビブスにはゼッケン風番号がプリントされています。番号は「おひとりさま」を連想させる0130です。
強化指定選手プリント
Tシャツには「強化指定選手」の文字。これでお一人様のエキスパートとしての箔が付きます。
トップアマ程度になるまでは着れないな、という意識の高い方はウニのTシャツでも着て行ってください。
ひとりディズニー競技、あなたへ開幕の言葉
この日の為にみなさんは一生懸命練習・準備をしてきたと思います。
くれぐれも（心の）怪我や（周囲のカップルからの）ヤケドに注意して、人命最優先でフェアプレー精神も忘れずに競技に挑んでください。
遊びではなく競技です。
誰と競っているか？それは己です。事前に何を達成し何ポイントを目指すのか決めた上で競技に挑み、目標ポイントを超えらえたかどうか結果を楽しんでください。また、Twitterで報告される競技参加者のポイント報告を見て競ってみましょう。
また、絶対にナンパされることのないよう、ファッションにも気をつけてください。ナンパされた時点で即失格となるため、ダサめのファッションと常に話しかけにくいオーラを放つことも大事な要素です。
ナンパされる事は特に許せない。
あまりのメンタル面の過酷さから他競技へ転向する選手や引退する選手も目立つ競技ですが、他スポーツの経験有無問わず選手になれる面は最大のメリットです。
みなさんがメンタルトレーニングの最大の成果を十分に発揮できるようお祈りし、開幕の言葉に変えさせていただきます。
実際の競技の模様
2022年3月、ひとりディズニー競技に挑戦しました。会場はディズニーシーです。
コロナ禍で長期に渡る抽選参加の末、やっと当選。
過去の応募で土日は全滅してきたので、フリーランスになり平日応募ができたことが勝因かと思われます。
エキスパート狙いで挑戦！
▼追記：競技の結果はこちら
競技記録【前半戦】ひとりディズニー競技に挑戦～ランチで自爆～
競技記録【後半戦】ひとりディズニー競技に挑戦～激レア体験あり～
ひとりディズニー競技【番外編】病院送りになる
